映画「最後の瞽女 ハル 」について

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瞽女とは、三味線を奏で語り物などを唄いながら、各地を門付けして歩く女旅芸人のことです。殆どの者が盲人で、生きていく術として、幼少の頃から親方と呼ばれる師匠に預けられ、
厳しく芸を仕込まれました。瞽女とその道案内人(手引きと呼ばれる半盲あるいは晴眼者)が、
親方の下でそれぞれ組を構成。独自の掟と仕来たりによって、強固な絆を結び、世間の差別や偏見などに対して、互いに身を寄せ合いながら、各地を放浪して歩いていました。
最盛期には北陸、東北を中心に約1000人を超える瞽女が居ましたが、
やがて衰退の一途を辿り、昭和初期になると、その姿を見ることがなくなりました。
本作品「最後の瞽女ハル」は、かつての越後の国に残る「最後の瞽女」として平成5年4月に105歳で亡くなった小林ハルさんのヒューマンストーリーです。
瞽女として人生を生きる事になったハルは、母親トメからは生きる術を、フジ親方からは
生きる力を、サワ親方からは生きる意味を教えてもらい、ハルは三人の女性から多くの事を学んでゆくのです。盲人小林ハルの辿った道は、想像を絶するほど苦労が多く、辛酸そのものの逆境の人生でした。
盲目という先天的障害、厳寒の許での厳しい瞽女修業、肉親や他人から受けた仕打ち、愛するものとの死別の悲劇等々、枚挙にいと間がありません。盲目という閉ざされた闇の世界に加えて、なお生き難い人の世の闇。この二つを抱えたハル。その深い闇のうちから輝きだす生の輝きこそハルそのものから生まれる劇的な人間ドラマなのです。